幕末の名工・江戸三作の一人【 大慶直胤 】2 尺7 寸超えの長寸・奉納刀・正宗写しの沸際立つ見事な迫力の一振り・特別貴重刀剣

大慶直胤は、安永8 年に出羽の国で生まれた。 水心子正秀の門弟で、その技量は師である正秀を凌ぐといわれ、源清麿らと共に新々刀期の「江戸三作」と呼ばれる。
父も「安光作」「出羽国住安光」などと切る出羽国の刀鍛冶であった。 直胤は安光の次男で、最初父のもとで作刀を学び、20 代半ばで江戸に出て正秀の門弟となり初銘を「次郎安光」を名乗った。 しかし、その技量が余りにも類まれであったため、正秀の門弟となって間もなく「直胤」と改し号を「大慶」とした、その為初期銘の作は非常に少ないと言われる。
銘は「次郎安光」「直胤」「出羽国住人荘司直胤」「荘司箕兵衛大慶直胤」「造大慶直胤」「大慶直胤造」「荘司筑前大掾藤直胤」「荘司美濃介藤原直胤」花押などを切る。
独立した後は多くの著名な刀工を輩出した。 中でも、水心子正秀の養子である「直勝」に娘を嫁がせており、直胤の初期銘「次郎」を与え「上総次郎直勝」その後「庄司次郎太郎直勝」を名乗っている。 また、二代直勝は、初め直好を名乗り、後に「荘司弥門直勝」の銘を切っている。 直胤、安政4 年5 月27 日没、79 歳で没しているので、平均寿命の短かった往時としては長寿を全うしたといえるでしょう。

本刀は生ぶ茎在銘、2 尺7 寸を越える長寸で、朦朧体の刃は正宗を狙った躍動感溢れる高低差激しい丁子刃、帽子そのまま乱れ込み尖って返る。 正宗を狙いながらも幕末時勢に即した実用の長さ、茎長さを持ち、いずれも名のある志士の所有であった事が伺われます
特別貴重刀剣認定書が付属し、某有名社の奉納刀であったことが揮毫されています。 直胤、会心の一振りだと思われます。

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長さ・・・・82.4cm
元幅・・・・約2.85 ｃｍ
先幅・・・・約1.9 ｃｍ
元重・・・・約6.6 ｍｍ
先重・・・・約5.0 ｍｍ
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